今回は、10月1日に北海道にて、仕留めて来た様子をアップいたします。仕留めた獲物が出て参りますので、お苦手な方は、ページを飛ばして頂くようお願い致します。

僕の人生、、、、色々な方々との素晴らしい多くの出会いがある事に、本当にありがたく、また、恵まれた人生を歩んでいるなと常々思います!
この狩猟も、うちの父親が昔からやっていたという事もありますが、六本木のラ・シャッスの依田シェフはじめ、たくさんの素晴らしいハンターの方々に出会えた事!
まず、お礼を申し上げると共に、これからも末永くよろしくお願いします!
ハンターも、日本全国に、高齢化と共に少なくなっているとはいえ、多くの方々がいらっしゃいます!
その、狩猟メンバーの中に僕を入れてくださった事!本当に心より感謝致します!
前日の9月30日に、函館に入るんですが、朝6時40分の羽田空港を出発し、8時には函館空港に着く予定!
しかし、色々な大問題が起き、その飛行機には乗れず、結局次の10時30分の飛行機に乗って行くという、今回は出だしからつまづくという、嫌なスタート!
函館着いて、ハンター仲間と打ち合わせし、10月1日の夜明けに合わせて、早めに寝ます!
1日目は、毎年恒例の今金町周辺でハンティングをします。
10月1日その瞬間は来ました。
日の出と共に鴨撃ちがスタートです!

鴨撃ち猟を簡単に説明しますと、、、北海道の道南には畑や田んぼが果てし無く広がっております!この畑に水を引くために、至る所に溜め池が存在します。


シベリアからやって来た、鴨達は北海道にまず入って来ます!今の季節、北海道では稲刈りが終わった所と、まだ終わっていない田んぼ、、、、、



大豆は、黒豆を作る為、乾燥させる為に畑にそのまま残っていたり、蕎麦畑もまだ刈られず、蕎麦の実が残っていたりと、、、、

こーんな状況なので、この米や、蕎麦を食べに、鴨達はわざわざ、日本海を渡ってきます!
昨日までは、のほほんと過ごしていた鴨たちも、10月1日の解禁と共に、急にハンター達に急に追われることになります。
ただ、後ほども書きますが、鴨たちはあんなに頭が小さいのにもかかわらず、非常に学習するんです。
その辺の話はまた後ほど書きますが、、、!
親方の1発で僕の、今年の狩猟は解禁します!
1人が溜め池に静かに突っ込んで行って、池に向かって、1発撃ち込みます。それに驚いた鴨たちは、一斉に飛び出します。

毎年の事なので、その地形や風向きによって、だいたい鴨たちがどっちの方向に飛び出すかが分かります。僕らは、自分の上に飛んで来た鴨たちに狙いを定めて、撃ち落とします。

ここからが大変で、撃ち落とした場所が、池の中だったり、藪の中だったり、、、、、狩猟犬になった気持ちで探しまくります。
鴨って本当に頭が良くて、身体がデカイので、飛び出しはスピードに乗れず遅いので、ハンターに撃たれてしまうので、藪の中ではじっとしていて、僕らが諦めるのを待っているんです。
また、2日目ぐらいになると、いろいろな所で撃たれて、学習しているので、はじめに池に撃ち込んでも飛び出さず、銃から弾を抜く【カチッと】いう音がしてから、一斉に飛び出したりと、人間との知恵比べです。
撃って回収した鴨たち直ぐに、凍りにつけて冷やします!
獲って直ぐに冷やすっていういう事が、ジビエにとって後々に味わいが全く変わってきます。
鴨もそうなのですが、もっと大きい鹿やイノシシではもっと大切です!
撃ってそのままにしておくと、お肉その物が体温を持っておりますので、生ハムの様にお肉が焼けてきてしまうんです!
それと一緒にジビエの独特の香りが、お肉に回ってしまうんです!
これが本当に大切で、以前熟成の事も書きましたが、それ以上にこの下処理の段階が1番大切だと言っても過言ではないと、自分で狩猟してみて強く思います!
ちょっと前までは、レストランに様々なジビエのお肉が届きますが、その肉がどんな所で獲られて、しかも、メスかオスか?
また、誰に捌かれたなんて、全く分かっていませんでした。
今でも、そんなフランス料理店は少なくないと思います!
しかし、ここが1番大切なんです!
今回の北海道の鴨撃ちの狩猟では、トラックの荷台にクーラーボックスに氷を入れておいて、獲った鴨は直ぐに氷につけるか、荷台に並べて、風を当てて冷まします!
そんなに熱いの?ってお思いの方も多いと思いますが、撃ったばかりの鴨は暑いんです!
改めて、自分で狩猟をするようになり、普通にレストランにジビエが納品されて、普通にお客様にお出ししていた時代より、命に対する重さって言うものを深く、重く感じる様になったと思います!
レストラン関係者の方々には、是非狩猟をやってもらいたいなって最近思います!
すべての食材に対する考え方が変わる気がします!


そんな、鴨は狩猟が終わったら、現地で腸だけ抜き取ります。こうする事によって、ジビエ独特の強い匂いが肉に写らなくなるするためと、病原菌対策の為、腸を抜き取ったら、アルコール殺菌します。ただここで、大切なのは、腸は抜いても、心臓、砂肝そして、ソースを作るレバーはガラに付けっ放しにして置くということ!
不思議なんですが、ガラから内臓を外してしまうと、すぐ腐ってしまうんです。
その後、新聞紙に包んで、現地でクロネコヤマトのクール便で、レストランに送ります。
ちなみに、今回の狩猟で仕留めた鴨達なのですが、クチバシを見るだけで、何鴨?かが分かります!
まず、代表的な青首鴨

今の季節は筆毛と言って、夏毛の状態なので、頭の毛が中途半端なのですが、もう少しすると綺麗に生え変わって、オスは見事な青首になります。そして、肝心なくちばしは、こんな感じで黄色です!
そして、カルガモ

カルガモは旅をしない留鳥と言って、簡単にいうと、地元の住人です。なんで、どこに行けば米があるのか?などを知っていて、丸々太っているのが多いです!地元の方が、どこのラーメン屋が1番美味いかを知っているように、、、、1番当たりハズレが無く、いつも安定して美味しいのはこのカルガモだと思います。肝心のくちばしは先っちょの方だけが黄色になっているのが分かると思います。
そして、仔鴨

よく勘違いされている方が多いと思いますが、この仔鴨は青首鴨の子供ではありません。仔鴨はそういう品種で、これ以上大きくなる事はありません。そして、この仔鴨はほぼ100%渡り鳥と言って過言ではないそうです。
よって、この仔鴨が池にどれくらい入っているかで、渡り鳥がどれくらい渡ってきているかのパラメータになります。
地元のハンターの方々もおっしゃっておりましたが、ハンターは高齢化が進んでいるにもかかわらず、鴨達は年々渡ってくる数が少なくなっているそうです。この原因は分かりませんが、確かに、去年より鴨が獲れなかった事は事実です。
そして、クロネコヤマトのクール便にて、レストランに送られてきた鴨は、撃たれている場所を確認して、熟成の出来る状態の者だけ羽をつけたまま熟成させ、胸など撃たれているのは、腐敗していくので、直ぐに使って行きます!



この状態を毎日確かめながら、羽をむしります!

今回の北海道の鴨は、獲れた数は少なかったですが、たくさん米を食べていて、丸々太っていて、脂がのってました!

焼いている時の香りも、またソースはレバーから作るので、この米からくる、脂ののりをよく感じました!
色々な事を乗り越えて、こんな感じでお客様にお出ししております!
本当にいろいろな事を考えさせられるのがジビエの季節です!
今回の北海道の狩猟は色々な作戦ミスもあって、あんまり鴨を獲ることは出来ませんでした。
お昼の12時ごろを過ぎると、鴨の習性なのか、急に鴨に出会わなくなります。地元のハンターがおっしゃるには、至る所にハンターが鴨を追い回して、海に逃げて行ってしまっているらしいです。

そーするとお昼ご飯なのですが、今回は地元の猟友会の会長さんのおうちにお呼ばれ致しまして、みんなで、バーベキュー!
しかも、おもむろに出された、肉がなんと、ヒグマの肉!会長さんが自ら撃ったヒグマの肉を、人生史上こんなに食べた事は無いくらい、食べさせて頂きました。北海道名物のジンギスカンもご馳走になり、ありがたいお昼ご飯になりました。

この写真を見てピンと来た方は凄いんですが、こーいう木の上に熊は住処を作っているらしいですよ!出来れば僕は、いくら銃を持っていても、ヒグマには会いたく無いですが(笑)
その後、2手に別れて、夕方まで狩猟をしました。その後、、、、、

考えつかないほど、オシャレなコテージに泊まらせて頂き、1日目の狩猟は終わりました。
2日目は前日があまり取れなかったという事もあり、2グループに別れて、夕方まで狩猟をしてきました。2日目のランチはこんな感じの田舎のオシャレなお蕎麦屋さんで大盛り天ザル蕎麦を食べました。


その後蕎麦畑にいる鳩を撃ったりもしました。
そーんな感じで、狩猟に行って来たのですが、去年ほどたくさんの鴨は獲ることが出来ませんでした。
先日まで、フランスの青首鴨は輸入がストップしていた事もあり、非常に多くの方に、鴨のお問い合わせを頂きましたが、今週末には輸入が再開されるそうです。
まさに、ジビエの季節になって来ましたね!
今回はあまり獲る事が出来ませんでしたが、また来月北海道に狩猟に行って、リベンジしてくる予定です!どうぞ、ご期待くださいませ!
そういえば、狩猟の際ご挨拶させて頂いた、じゃがいも農家の方から、大量に名物の今金男爵が届きました!

こーやって、マノワでは新しい農家さんから直接良い物を仕入れることが出来るんです。やっぱり、出会いは大切にしないとって思う、今日この頃です!