街中でマスクをして無い方々も多く見る様になり、やっとあの頃の日常が戻って来るのか?期待しております。
タイトル通り、マノワは9月から完全週休二日制に致します。よって、月曜日と火曜日を定休日と致します。
今回のコロナがあろうが無かろうが、僕ら飲食業界全体が、誰もがブラック企業だと思っているのに、それを直視する事が出来ず、続いていた僕ら業界が変わらなければ未来は無いと思います。
タイトル通り、マノワは9月から完全週休二日制に致します。よって、月曜日と火曜日を定休日と致します。
今回のコロナがあろうが無かろうが、僕ら飲食業界全体が、誰もがブラック企業だと思っているのに、それを直視する事が出来ず、続いていた僕ら業界が変わらなければ未来は無いと思います。
"働き方改革"
最近明らかに飲食で働く若い人達、料理人やサービスが減っているのを感じます。また、僕ら業界のお店が、ここ数年たくさん閉店して行っている事実を他人事ではなく感じております。
僕がずっと働いているから、贔屓している訳では無いのですが、僕ら業界の方々は、純粋な気持ちで生きている人が多い様に思います。
「美味しい料理やワインで、多くの人を感動させたい、楽しい空間を過ごして貰いたい!」
そう思って、何年も修業をし、僕も12年前に経営者になりました。
しかし、その想いとは逆に、頑張れば頑張るほど、ブラックと呼ばれたり、また常に新しいものを求められ、ネット社会で評価にさらされるなど、様々なストレスが多く、疲弊していくレストラン経営者が多いのも事実です。何か根本的な変革をしていかないと、僕ら飲食業界自体が絶滅危惧種になるのもそう遠くないと考えております。
僕たちの世界の未来ってどうなるんだろう?って、毎日考えます。
僕たちの世代が働き始めた20数年前は良くも悪くも、過労死なんて言葉も知らず、大きな話題にもならずの時代でした(笑)
労働時間は今は想像もつかないようなほどだったし、暴力も日常茶飯事だったし、休みも給料も今と比べるとすこぶる少なかったもんです。
それが良いとは思いませんが、僕自身は、それがあったから、今があるんだといつも思います。ただ、同じ事をマノワのスタッフに望んでいるか?と言えば、、、、、、
全く望んでおりません。
良くブログにも書きますが、僕は貯金も無く、親が援助してくれる様な、恵まれた家庭環境でも無い状態で、この業界を25年間生きて来ましたが、20歳の頃、何の根拠も無く、、、、、、
「30歳で自分のお店を東京で持つ!」
ただ、それだけの目標に向かって突き進んで今があります。
しかしながら、東京でフランス料理店をオープンするには現実問題、他の飲食店と比べ、多くのスタッフ、高価な厨房設備や、何よりオシャレな内装費、、、、、、
たくさんの資金が必要です。僕は自分の未来の為に、働いたお金は全て、数少ない休みの日に行く、ワインと飲食代金で全て使って貯金なんて20代は出来ませんでした。
そこからは、多くの方々がご存知と思いますが、多くの方々の支えとご協力のもと、12年前にこのレストランマノワをオープン出来ました。
そもそものお話し、、、、
言葉は悪いですが、普通に働いて週休2日以上の休みで、その休みに心の贅沢を求めて、多くのお客様がフランス料理を食べに来ます。そのお客様を接客する僕ら業界の人間は、休みも無ければ、低賃金で働いて来ました。
僕ら世代はそれが修行だと思い、たくさんの事を犠牲にして、未来目指して、今がありますが、現在ではこの修行と言う言葉は死語になると最近では考える様になりました。
海外から日本を見ると良く分かるのですが、先進国の中でレストランの価格が日本ほど、クオリティが高いのにリーズナブルな国は無いと思います。事実、だからこそ、多くの海外の方々が日本に来日される事も多くの理由だと思います。また、昨今の円安でさらに拍車がかかると思います。
しかしながら、そのお客様の、レストランに対する高揚感や満足感は、、、、
一重に僕ら業界で働く人間達が、多くを犠牲にして来たからに他なりません。
これからは、若者達にしっかりと現実を教えて、お店が潰れない様、しっかりと経営して行く事が1番大切だと僕は考えております。
有り難い事にマノワには、長い時間僕と一緒に働いてくれているスタッフがいます。
彼ら彼女らに、僕が何が出来るのか?
そんなシンプルなもんです。
そこでマノワは先ず、、、、
スタッフ全ての給与を2万円以上ベースアップしました。
でも、日本って言う国は矛盾が多すぎます。
日本政府は海外から観光客を受け入れようと政策をしますが、その中で受け皿となるサービス産業の人口は、少子化で激減していきます。
手仕事の僕達は、人海戦術で動かなければいけないので、、、、
「処理すべき仕事量=一人が処理できる仕事×人数×時間」という公式になります。
人口は減る一方、さらに時間を減らさないといけないというのが現状だと思います。そうなると、当然一人当たりの処理能力を上げる必要があると思います。
よく言われる効率化や生産性向上という点です。
しかしながら、ご来店いただいたお客様により気持ちの篭った料理を出したいっていう、純粋な気持ちの元、冷凍食品や出来合いの料理をお客様に提供するのでは無く、全て食材の本質から手仕事にこだわる僕らフランス料理業界には、とても難しい点がここにあります。
飲食業は他の業界に比べて圧倒的に余裕がないのです。そこをつくらなければ、労働環境を改善することは難しいです。
正直、今の制度の中でのカードはすべて出し切った感があります。
あとは、AIロボットを投入して、人が働かない部分を作る方法ですが、それをするにもまだ時間がかかりますし、そもそも、僕らフランス料理業界にはそれは当てはまらないと思いますし、僕が経営する、レストラン マノワではあり得ません!
日本のデフレが止まらないのは、消費者からの、厳しい目と、費用対効果を高過ぎるぐらいに求め、実際の運営費やコストは度外視して、簡単に言えば、、、
「商品相場を開発、製造側が決めれず、日本の消費者の相場感が先に来る」
税金のように法律でラーメン一杯が最低2,000円以上と決めれば、店側は味のクオリティを更に求めやすくなるのですが、日本の場合、安くて美味しいが既に当たり前になっていると思いませんか?
また、他国の様に、街によってレストランの数に制限を設けるって言うのもありますが、日本では中々現実的では無いと思います。
先進国なら、、、、
「美味いモノを食べたいなら、値段が高いのは当然」という思考があります。この段階で差があります。
先進国の日本以外の国の場合は、労働者や職人に対してリスペクトがあると、僕もフランスで働いていた経験上感じてましたが、日本の場合は、商品に対して、支払い額が低いわりに、店側に対しての要求が高過ぎる現状を、もう何年も前から、僕は、感じております。
働き方改革が始まり、労働時間に制約があるのに、しかも、人材不足が加速する、今現在の日本は、消費者の要求が金額以上に高過ぎるって言う現状が、どうなのか?って思っているフランス料理店の仲間たちは少なくないと思いますし、少なくとも僕はそう考えております。
だからと言って、働き方改革と言う大義名分をかざして、冷凍食品を使う様なレストランをやって行こうとは1ミリも思っておりません。
まずは昔からの当たり前をもう一度見直して、改善するべきことは改善して、働きやすくて魅力ある仕事にしたいと思います。
僕は常にスタッフには言ってますが、、、、、、、
【ご来店頂いたお客様に、もう1度マノワに来たい!】
って言う空気感を今以上に作って行きたいと思いますし、それが出来なきゃ、マノワは数年以内に無くなるっていう危機感を持っています。
先の話し、高い頂きの先を目指す、僕らフランス料理業界は、これから先も、人の力なくしては仕事ができ無いと思います。
そう考えると、僕がつまんない人間になるのは論外で、良いスタッフがお店の価値観を継続して作り上げていくのはの必然であり、フランス料理店って言う名を背負って未来にもフランス料理業界が続く様に、、、、
【人を大切にする経営をしなければいけない】
【人を大切にする産業ににしなければいけない】
そして、少なくとも、、、、、
【今日もご来店くださる多くの常連様と共に生きて行きたい】
そう思うのです。
そして、僕ら世代が、出来るだけ良い形に正して、次の時代の人に受け渡したいと心から思います。
先ずは今、全てのお店がスタートに立つ必要があると思います。そして、そこから各店の個性と変化が求められていると思います。その方法はそのお店それぞれだと思います。
僕ら飲食業界で働くスタッフは奴隷では無く、せめて一般の方々と同じ水準は保証しなくてはならない、それが出来無いのであれば、経営者失格だと当たり前ながら思うんです。
そして、夢の持てる業界にならなくてはならないと思いますし、そうでなければ淘汰されるべき時代なんだと思います。
未来にも若者たちがこの飲食業界を率先して選択出来る様な、世界を作って行かなくてはならないと、僕ら世代の仲間たちはこのコロナを乗り越え、そう思うのです。
このコロナと共に生きていく世界で、客席数を減らし、収益を上げて行く!そして、スタッフの生活水準を上げて行く?矛盾とも取れるこの状況を僕ら世代が変えて行かなくてはなりません。
全ては、食べる事は文化であり、続かなくては文化にならないと言う事を、フランスで働いて、日本で多くの方々から学んだからに他なりません。
温故知新は大切ですが、悪しき過去から脱却する事が、僕ら飲食業界は今求められていると思います。
日本人誰もが思っているけど、口に出来ない、飲食業界全体がブラック企業である事をこのタイミングで変えて行かなくてはならないと考えております。
これからも僕が僕である限り、何が起きても、芯はブレずに真っ直ぐに進んで生きたいって思うんです。
この長文をお読み頂きありがとうございます。
今後とも東京・広尾のレストランマノワ、北海道森町のマノワラボをよろしくお願い申し上げます。