遠い昔のお話!まだ中村少年が19歳だった頃の1998年、フランスでサッカーのワールドカップがあって、ジダンが活躍して、フランスが優勝したあの年のお話です。中村です!
当時、僕はフランスのジュラ地方にある、ディヴォンヌって言う、田舎街で、当時16歳と20歳のフランス人と3人部屋で共同生活をし、住み込みで、星付きレストランで料理を作ってました。
あまりに、田舎街過ぎて、街に日本人は僕1人しかおらず、気が付いたら、、、、
【1ヶ月位、日本語喋ってないな?】
って言う位、フランスにどっぷり浸かった環境でした。当然、僕の性格上、始めは、フランス語なんて、全く喋れませんでしたが、その少年達と直ぐに仲良くなり、このまま、フランスで一生暮らしても良いな?って思う位でした。
っで、ある日の事、一緒に働いていた、地元のジュラに自宅がある、20歳の少年の母親から、夕御飯を一緒に食べようと、お誘いを受けました。
母親は、【家庭料理だから、気兼ねなく来なさい!】って言ってました。
とはいえ、手ぶらでお伺いする訳には行かないじゃ無いですか?当然、当時の僕は、お金は全然無かったのですが、そこそこのワインを持って行きました。
そーしたら、どーなると思います?
めっちゃ怒られました(笑)
何故か?それは、僕が息子と非常に仲良くしており、本当の意味で、家族の様に、一緒に食事をしたかったからです。決して、お客様として迎えてくれた訳じゃ無いんです!その後何度もその家族に、自宅で夕御飯をご馳走になりました。
そしてまた別の日、、、、、、
その20歳の息子の、彼女の誕生日で、彼は地元の小さなレストランに予約してました。
前日から、、、、
【明日、彼女の誕生日なんだけど、お金無いんだけど、どーやって楽しんでもらおう?】ってすげー言ってました(笑)
当然、お金はたいして持ってません(笑)
当日、彼は、その辺に生えている花を集めて、さっとブーケを作って、彼女に渡し、それを見た彼女も心から喜び(B'zでそんな曲があったよーな?)、、、、
そして、レストランで、彼女が喜びそうなワインをワインリストから一生懸命探します。
決して高価なワインではありません。
彼女が喜んでくれるであろうワインです!
これって、日本人の男で何人が出来ます?
あの親にこの子ありだと思います。
テレビや雑誌を開けば、食育なんて言葉が直ぐに見つかりますが、、、、
僕は食べる事は生きて行く事であり、文化だと考えております。
スタッフにも、常日頃言っておりますが、今日世界中から、マクドナルドが無くなったら、多くの人が困るでしょうし、餓死する方も多く出ると思います。
でも、今、日本のフランス料理店がなくなっても、そんなたいした問題では無いと思います。
そんな中、星の数よりある飲食店からマノワを選んで来てくれたお客様に、最高のパフォーマンスをしなさい!
僕は多くの方々から、フランス料理店に携わり、心の豊かさや、フランスと言う国の文化を教えて貰いました。
フランス料理店にいらっしゃっる多くのお客様は、僕より年上の方々が多く、いろいろな事を経験されていて、その方々と毎日、お話させて頂き、また、一緒に食事させて頂き、僕の人生の幅が広がる思いを、たくさん経験させて頂いております。
っで、現代に戻ります!
今現在、フランス料理店はもちろん、全ての飲食業界は万年の人手不足に陥っております。
今現在、マノワでは、長年働いてくれている、スタッフがほとんどですが、マノワの様なレストランは、非常に稀だと思います。
飲食業界における人手不足は、非常に難しい問題ではあります。
ただ、このままで良い訳はありません。マノワでは今月中に新たに中途採用の女の子を1人迎えます。
僕はこのフランス業界で、東京のみで、働いて来て、
22年になります。
慢性的に人手不足のこの業界、いつまでも変わらなくて良いわけでもなく、人手不足なんだという事に気づきながら、誰も変えれず、、、、
専門学校卒業して、夢と希望と野望を持った若者が、ゴールデンウィーク迄には、その現実に気づかされ、大半が辞めて行きます。未来を背負う、この業界の若者に、夢と希望が有ることも示していかなければいけないと思っています。
飲食業界にある、恥ずべき悪き風習は変えて行くのが、僕ら世代の宿務だと思います。
フランス料理は、、、、、食べる事、ワイン飲む事で味わえる、幸せな気持ちは、、、、、
僕がフランスで過ごし、感じた事は文化であり、若者達にも伝えていかなきゃいけないと切に思います。
また、フランス料理店で働いて行く以上、その楽しさ、心の豊かさを、スタッフはもちろん、お客様や、、、、
これから育って貰わなくては困る、若者達に伝えて行かなくてはならないと考えております。
昨今、フランス料理店に行っても、サービスもおらず、料理人希望が嫌々、サービスやってたり、そもそもカウンターのフランス料理店も多くなり、サービスと言う職種すら絶滅危惧種の様に感じております。
僕が20歳の頃、夢いっぱいに思い描いていた、、、、、
22年後のフランス料理業界はこーじゃ無かったもんです。食べる事は、生きる事であり、楽しむ事であり、文化であり、親から子へ、先輩から後輩へ繋がって行く事だと僕は思います。僕は、今まで、何人も面接して来ましたが、面接をすると、大抵の若者は、、、、
【 食べる事が好きで、自分で作った料理で、人生が幸せになって貰いたい!だから飲食業界で働きたい!】って、目を輝かせて話します。
うちの息子が20歳になる頃、若者達を面接したら、、、、、
皆んなが、銀行員だったり、有名企業だったり、証券会社だったり、医者を選ぶと同じ様に、当たり前に、、、、、
【料理が好きだから、ワインが好きだから、飲食業界で働く!】って胸を張って、言える、そして、憧れのある、そんな飲食業界にならなくてはならないと思います。
そうすれば、当日のキャンセルや、予約しているのに来ない、お客様も少なくなるでしょう!
今現在、僕でさえ、飲食業界は、普通の企業に働かれている方々から、蔑んで見られる事を感じる事があります。
35年ローンでマンション買おうとしても、普通のサラリーマンに比べ、全く融資して貰えず、マンション買う事すら難しい、それが飲食業界の現状です。
20年後で無く、5年後の未来の僕に向けたメッセージなのかも?知れません。
このコロナの時代に僕はたくさんの事を考え、行動して来ました。
現在の飲食店に出されている協力金が終わる頃、僕は多くの飲食業が淘汰される未来が来ると考えております。
そして、ここから日本の飲食業界は冷凍食品始め、今迄は考えられなかった新しい世界に突入すると考えております。
マノワではコロナの時代、スタッフの雇用を守り、給与を下げる事無く、、、、
むしろ逆に先月からスタッフの給与を大幅にアップ致しました。
マノワは今年の11月15日に10周年を迎えます。
来年の春には、ずっと実現に向けて走り続けて来た、北海道プロジェクトが本格的に始まります。
その未来の為、多くの若者達を育て、フランス業界に、多くの可能性を見出す為にも、先ずは、足元から、マノワから変えて行きたいと思います。
11月3日(水)から、ランチの5500円のコースのみ価格を変更させて頂きます。
尚、ディナーの価格は変えません。ランチコース 5,500円(税込)➡︎6,600円(税込) 何卒ご理解の程よろしくお願い申し上げます。
結局、1番大切なのは、「人」だと思うんです!皆様、今後とも、レストラン マノワそして、スタッフ達をよろしくお願い申し上げます。